vol.28

ちゃんとやってます!

 

 

 

相変わらずマイペースで進んでいる自分の新作レコーディングですが、さすがにいろんなところから「はやく作れ」という声が聞こえ始めて少々焦っている今日この頃です。とりあえずちゃんとやってる事を報告しないといけないような気もするので、経過報告です。

まずなかなか進まなかった言い訳をすると、プロデュースをさせてもらっている年齢不詳系兄弟バンド、Ride on Babyのレコーディングが大幅に伸びた事や、それにまつわるいろんな事に没頭してしまい、自分の事がどんどん後回しになってしまっていたのです。

しかし、このプロジェクトは僕にとってももう一度デビューするくらいの意気込みで取り組んだわけで、彼らの作品は同時に僕の作品でもあると言っても良いです。なにしろ曲作りからレコーディング、ミックスやマスタリングからカレーの作り方まで自分の持っているスキルは全て注ぎ込んだつもりなので、遅れた分は彼らのレコードを聴いてもらえば、きっとその分が詰まっているはずです。いや、詰めた!(断言)。発売されているシングルと来年出るアルバムは是非聴いてもらいたいです。

さて、言い訳が済んだところで話を戻すと、今回もいつもと同じくプリプロのためにスタジオにこもって作業をした後、ある程度のヘッドアレンジが出来たところで本番レコーディングに突入。今回はRide on Babyのセッションでお世話になりまくったエンジニアの小杉さんと、彼のホームグラウンドである一口坂スタジオで録音出来る事になりました。

今回もリズムはみんな一緒に一発録りをしたかったので、みんなが入れるブースがある広いスタジオを使わせてもらいました。最近は小さな部屋でコンピュータの画面に向かって作業をする事が多くなっているので、大きなコンソールやヴィンテージのマイク、本物のアウトボードに囲まれるとホッとします。やっぱりこれがレコーディングだよなー!と改めてうれしくなります。やはり本気で何かやる時にはそれに見合った環境というのが必要なのです。どんなに高性能なコンピュータがあったとしても、その脇に洗濯物が干してあったり、ネコが「シーバささみカクテル」とかを美味しそうに食べていたら完全にロック魂は消え失せてしまうばかりか、和んでしまって仕事になりません。

そんな素晴らしい環境を生かすべくさらに贅沢をして、今回は最近どんどん減りつつあるアナログのテープレコーダーを回す事にしました。これはエンジニア小杉さんのこだわりが中目黒のおでん屋で盛り上がった事によって実現しました。何はともあれ、一緒にお酒を飲むのは良い事です(飲み過ぎって話もある)。

便利なデジタル機器があるのにどうしてアナログを回すかというと、これには他には代えがたい魅力があるのです。それは例えて言うなら「身の詰まった」感じとでも言うべきもので、コンビニのおにぎりと手作りのおにぎりくらいに違いが出ます。特にドラムやベースといった低音に関してはその違いは大きくなります。言葉で説明するのはなかなか難しいですが、まだ家にカセットテープレコーダーがある人は、試しにメーターが振り切るくらいまでレベルを入れて録音し、それを再生してみると、一般のご家庭でもなんとなくその感じが味わえます。MDやデジタルレコーダーで同じ事をした時との違いは明らかにわかるはずなので、興味のある方は試してみてください。

そういうアナログの使い方をする場合は、もちろんその分ヒスノイズと言われる雑音が増えたり、良くない部分だけやり直したり、くっつけたりする事が出来なくなるという不便な要素もありますが、おにぎりは手で握る限り、その手間が省けないのと一緒です。そして手間をかけたものはやっぱりおいしいのです。

今回もリズム隊は僕のセッションには欠かせないメンバー、棚沢さんと小山君。いつの間にか棚沢さんはママレイド・ラグのツアーやレコーディング、小山君はRide on Babyや様々なサポート、レコーディングで大活躍しており、そのうち来てくれなくなるのではと内心不安を抱えていましたが、ちゃんと来てくれたので安心しました。やっぱり飲みに行くのは大事なのです(違うか?)。

相変わらず自分のレコーディングになると「スネアの音が良すぎる」とか「何か普通でつまんない」とか意味不明な事を言い出してしまう自分ですが、そこは長年の付き合いのお二人はよくわかってくれていて、そういう事を楽しんでくれているみたいです。他人のプロデュースをしている時は自分でも感心するほど的確な言葉が出てくるのに、自分の事になると何故こうなってしまうのか謎ですが、結局は伝えたい気持ちがあれば何とかなるものなのです。そんなふうにして無事にリズム録りは終了。只今ダビングをしたり歌詞を考えたりしています。まだまだこれからやりたい事は沢山ありますが、今回も手を抜かずに納得行く作品を作ろうと思っています。それが出来るのも全て僕のペースに付き合ってくれている皆さんと、それを許してくれるスタッフのおかげです。ミュージシャンが普通に音楽を続ける事さえ困難なこのご時世、自分は本当に恵まれてるなあ、と思います。進み具合はまたここで報告する予定なので、気長に待っていてください。

2005.11.30

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