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vol.20
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「spring」です
新作のタイトルは「spring」です。もう秋だろう!?と突っ込まれるのも充分承知ですが、作り始めたのが春だったから、というこれ以上ないこだわりで押して行きます。正直に言うと「spring/summer」でも良かったのですが、洋服屋さんみたいなので考え直しました。まあ、僕の作る曲はそんなに季節に左右されるようなものでもないと思っているので、良いような気がします(いいのか?)。ここまで来ると必然的に次は「summer」になりますが、このペースだと四季がまとまるのに二年近くかかってしまいそうなので、その時々に考えようと思います。
今回も販売は基本的にこのホームページと一部の店鋪のみの限定販売になります。相変わらずレコードメーカーからのリリースや全国流通はしません(何故そんな事をするのかは南青山通信vol.11にて詳しく書いてます)。
さて、今回のリリースではさらに新しいチャレンジをしようと思っています。それは「ダウンロード」というやつです。つい10年程前まで、cccdどころかCDにさえ違和感を感じていたようなアナログ人間がそんな事をするのは無茶だとも思うのですが、自分なりにホームページを使って出来る事はもっとないかなあ、と考えていたのです。最近は試聴出来るのは当たり前だし、ipodを始めとする端末も急速に普及して来ているので、やっと最近そういう物に興味を持ち始めた自分としては「あったらうれしいもの」の一つではある、と思ったのです。でも、自分自身やっぱりWeb上のデータ=見えないもので音楽を買うという感覚にはまだちょっと違和感があるのも事実です。だったらこの際1曲タダであげちゃえ!ということにしました。「できたて無料ダウンロード」です。みんなに「もったいないよ!」と散々言われたのですが、勢いだけでなく色々考えた上、やっぱり実行する事にしました。その理由は色々あるのですが、そもそも僕がこの「できたて産直CD」を始めようと思ったきっかけの一つは、今のシステムでは作って出そうと思ってからみなさんに届くのに時間がかかる、という事もありました。標準的な行程を踏むとどうしても完成してから3ヶ月位はかかるのです。幸い音楽は腐ったりしないので良いのですが、これが桃とかだったら下手をすると土に還ってしまうかも知れません。僕のCDは出来たらすぐ発売出来るので、CDとしてはかなり新鮮です。そしてさらにそのタイムラグをなくすのが「ダウンロード」です。作り手側としては再生する機器を特定出来ないので、その人によって音質や再生環境に大きく差が出るという事はありますが、受け取る側としては自由度が広がるし、何しろCDをプレスしている時間がいらないので、すぐに聴いてもらえます。
そしてこういう事に付き物の違法コピーの問題。何かと話題なのでいろいろ考えたり、僕の周りを見回してみたりしたのですが、結論として今の僕には全く問題になりません。確かに僕達のような仕事をしている人間にとって、違法コピーは重大な問題です。例えばあなたがモノを書く仕事で生計を立てているとして、あなたの書いた本がそっくりコピー機でコピーされて安価に売られてしまったら、お金は全く入って来ません。そうなったら出版社だってやっていけないし、モノを書く事さえ出来なくなってしまいます。でも、だからといって誰が性能の良いコピー機を責めるでしょう?僕は録音機器についても同じような気持ちを持っているのですが、それは使う人の感性の問題なのです。サンプラーが生まれなかったらある種の音楽は生まれなかっただろうし、ソフトシンセやプラグインと呼ばれるコンピュータ内でのアナログ機器の再現=コピーがなかったら、僕は今回のCDを作るのにだって何倍もの投資をしなくてはいけないはずです。実際に僕もいくつかの無料のお試し版ソフトや、友達に勧められてコピーしてもらったソフトを試してみて、気に入った物を買って使っています。僕達作り手側だって、その技術の恩恵を受けているのです。学校で先生が配るプリントに誰かの言葉が引用されていたら?合唱コンクールで歌うための曲をみんなにコピーして回したら?自分の好きな曲を聴かせたくて友達に焼いてあげたら?それが合法なのか、違法なのか?そんな事は別にして、「いい曲」はみんなで、いい環境で聴きたいはずです。素敵な曲と巡り会って、そのアーティストが好きになったらCDを買ったりコンサートに行ったりするし、「嫌いな曲」とか「つまんない曲」はタダだっていらない上、バカにされたくないので友達にだって聴かせません。少なくとも僕はずっとそうしてきたし、これからもきっとそうすると思います。
だから、僕がお試し版をダウンロードして使うのと同様、僕のCDを買ってくれる人にだってお試し版をあげちゃいます。ただちょっと違うのは、今回はお試し版ではなく、丸まる一曲全部、という事。何故「試聴」じゃないかというと、幸せなことに僕はお客さんを「試す」必要があんまりないからです。
僕は前作をこういう形でリリースしたことで、自分の音楽のクオリティー同様「ファンのクオリティー」にも自信を持てました。無料ダウンロードをした事で売り上げが減るなら、それはダウンロードが悪いわけではなくて、僕の作品が前に比べてあんまり良くなかった、という事だと思います。わざわざ僕の曲をダウンロードしたり、CDを予約して買ってくれるような人達は恐ろしく耳が肥えているし、気に入ったら必ず手に入れて何度もちゃんと聴いてくれることは知っています。だから気に入ってもらえたらどんどん友達にコピーしてもらって良いし、合唱コンクールに使ってくれてもかまいません(無理か?)。今回の曲も全部「ダウンロード」なんて言葉が全く似合わない感じなのですが、別にプロモーションとかそういう為ではない、プレゼントみたいな物なので、CDが届くまで待っている間に聴いてもらえるとうれしいです。「spring」は、こんな気持ちになれるくらい自分にとっては納得のいく作品になったので、ひとりでも沢山の人に聴いてもらえたらうれしいです。
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