vol.2

ourhouseの近くには買い物をする所が殆ど存在しません。あるのは唯一聞きなれない名前のコンビニが一軒。寒い冬や暑い夏はここが命綱と言っても良い。ヘビースモーカーの溜まり場である僕等のスペースにいる人は、煙草が売っているという理由で皆通っています。
しかし、このコンビニ、うちや一緒の部屋にいるグロリアさんを訪れる方が決まって怒りを露にして帰って来ます。僕達はもう慣れっこなので、(だからこんなこと書いてるんだけど)また一人犠牲者が増えたって感じですが、フランチャイズ制で社員やバイトの教育に関しては世界にそのサービスの質の高さを誇る日本のコンビニにおいて、みんながこんなに文句を言って帰るコンビニって珍しい。その順位のベスト3はほぼこんな感じ。

1.おつりがわからない
2.欲しいものがない
3.江戸っ子がいる

[1] に関しては、ここのある店員は見事に金額を言わない。普通のコンビニでの会話なら、どんなに愛想が悪くても「マルボロのソフトパック下さい」「280円です」。500円を出したら「220円のお返しです、有難うございましたあっ」くらいのことは言うでしょう?でもここは一味違う。

客「すいませーん」(殆どレジにいないのでしばらくしてレジに入る)
店員「・・・・・・」(それでもなお無言)
客「マルボロひとつ下さい」
店員「ソフッ?・・・」(一瞬ソフって何だ!?と思う)
客「え?・・ああ、ソフトパックでいいです」
店員「チジュウ円。・・・・・・」(無言)。500円玉を出すと
店員「・・・・・・・」(無言。ピーというレジの音)おつりを差し出しながら、
店員「ジュウ円。・・・・・」

以上で会話は終了です。「体言止め」です。そもそも名詞を強く印象付けるためのこの手法をコンビニで用いることが、何故こんなにも客を苛立たせるのか?それはさて置き、これじゃおつりも、自分が払う金額もわかりません。しかも何故かこの人は言葉の語尾しか言わない。150円なら「ジュウエン」128円なら「・・ュウハチ円」と、さらにそれがフェードインして来ます。俺の行間を読めって事なんでしょうか?大概の人はこれで腹が立つみたいです。

[2] の欲しい物がないと言うのは、時間帯にもよるのですが、コンビニでちょっと買おうとみんなが思うもの、例えば主要なお弁当、サンドウィッチや肉まんなんかが、24時間のうち18時間位は品切れ状態で、しかも全く補充する気配が感じられない。スープがなくなり次第閉店、なんていう流行りのラーメン屋みたいな強気さで24時間バッチリやってます。
微かに残っている商品は見るからに「私は売れ残りですから」というネガティブなオーラを放っていて、どんなにお腹が減っていてもこれだけは手に取るまいと堅く胸に誓わせる、ある種宗教的とも言える存在感があります。
[3] の江戸っ子はほとんどネタですが、この店員さんに限って必ずはっきり金額を言います。が、「ひ」が言えない。百円が「シャク円」になってしまう。だから何だって事はないんですが、僕達の中では「江戸っ子」の愛称で親しまれてます。でも断じて江戸っ子ではありません。念のため。
                                               2003.2.7

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