ポール・マッカートニー
『THE McCARTNEY YEARS/ポール・マッカートニー・アンソロジー 1970-2005』
ソロになってからのビデオ・クリップ集からライヴ映像まで、ポールの軌跡を映像でたどった3枚組のDVDです。それにしても全部で375分もあるので全部見るのが大変なのですが、長年のポールのファンのみならず、初めてポールの作品に触れる方にもお勧め出来る充実した内容の作品集です。
まずビデオ・クリップ集は、MTV全盛期に深夜のテレビ番組などでよく見た懐かしいものから、日本ではあまり放送されずになかなか見ることが出来なかったものまで収録されていて、かなりうれしいです。別にそんなに好きな曲じゃなかったとしても、見たいと思った時に見られるという安心感がファンには大切なのです。さらに丁寧に作られたエクストラの映像はいろいろなメイキングなどが入っていて、ファンにはたまらない内容になっています。
ディスク3はライヴ・コレクションなのですが、ウイングスの「ロック・ショー」「MTVライブ」、グラストンべリーやスーパーボウルでの演奏などが収められています。特に最新の処理を施されて甦った「ロック・ショー」の映像の美しさと音質の向上にはびっくりです。残念なのが完全版ではないところですが、これだけのヴォリュームのDVDに完全版を入れろというのもいささか申しわけないような気もするので、「MTVライヴ」と一緒に別パッケージで是非再発してもらいたいです。
個人的にはマイケル・ジャクソンとのデュエット「セイ・セイ・セイ」を見て、深夜の音楽番組を欠かさず見ていたのを思い出し、1985年の“ライヴ・エイド”で歌うポールを見て、当時徹夜でテレビにかじりついていたことを思い出し、「マイ・ブレイヴ・フェイス」の映像を見て初めての来日公演の感動を思い出し、「MTVライヴ」を見て当時のツアー・メンバーだったロビー・マッキントッシュのギターをコピーしたのを思い出し、やはりポールの音楽が自分にとって大きなインパクトを残してくれていることを感じます。
ビートルズが解散した1970年から2005年まで、35年間に渡って続けてきた活動を改めて映像と一緒に見てみると、その時代に合わせて新しいものを取り入れたり、時には原点に回帰したりすることで、常に自分の音楽に誠実であろうとする彼の姿勢は今でもずっと衰えることがありません。1970年は僕が生まれた年でもあるのですが、ずっと一線で活動し続けてくれて、常に新しいものが出る度に現在進行形で追いかけられるアーティストがいるというのは、いち音楽ファンとしてはとても幸せなことだと思います。
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