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『瞬間線』
ソワン ソング

花の嫌いな女性はいない、と言いますが、確かにもうおばあちゃんといってもいい歳の僕の母親でさえ、花を贈ると無条件に喜んで、大切に水切りをしたり、鉢植えの手入れをします。そんな姿を見てから、僕もたまに近所の花屋さんで小さな花束を買う事があります。店先で売っている、余った花を集めて作った小さなもの。値段も数百円で買える小さなブーケだけれど、それはとても奇麗にまとめられていて、テーブルやデスクに置くためにはちょうど良いサイズになっています。普通の男の人が、誰に贈るわけでもない花を買う事なんて滅多にないし、はじめは少し恥ずかしかったのですが、それがある事で部屋の雰囲気はかなり有機的に変化するのです。
なぜこんな事を書いたのかというと、sowansongのファーストアルバム「ノスタロジカル」と、この新作「瞬間線」を続けて聴いていて、sowansongは花にとても詳しい、という事を思い出したからです。どちらかと言えば男っぽい彼のルックスや話からは全く想像出来なかったのですが、音楽をやる傍らで園芸関係の仕事をしていた、という話を以前聞いた事があったのです。不思議な事に今、あらためて彼の音楽を聴いていると、確かに色とりどりの花が思い浮かびます。特に豪華なわけではなく、派手なインパクトがあるわけでもないけれど、大切に作られた小さな花束。sowansongの歌は、そんな小さなブーケのような音楽なのです。そしてその花は、時に高価で豪華な花束よりもずっと、人の心に響きます。おおはた雄一、高橋結子、中條卓、YANCYというポップス/ロックシーンにもはや欠かす事の出来ないミュージシャンを迎えて作られたこのアルバムは、デジタル編集された造花ではなく、全てが生で演奏された一発録音。sowansongをはじめ、それぞれがその瞬間に咲かせた花を封じ込めた、ずっと枯れないブーケです。

 

 


 

 

 

ソワンソング/瞬間線

sowan song
『瞬間線』

tPD records
CD

TPDR-003
\2,100(税込み)


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