『
コンサート・フォー・バングラディシュ
』
ジョージ・ハリスン&フレンズ
このDVDはラヴィ・シャンカールというシタール奏者の呼びかけで、1971年にジョージ・ハリスンが中心になって行われたバングラディシュ救済のためのコンサートの模様を映画化したもの。LIVE AIDなど、その後行われるようになった大規模なチャリティー・コンサートの礎になったとも言えるものです。
ジョージをはじめ、ビリー・プレストン、バッド・フィンガーというアップル勢、エリック・クラプトンやジェシ・エド・デイヴィス、レオン・ラッセル、そしてボブ・ディランという夢のようなメンバーが集まったこのコンサート、誰のファンであれ、その時代を牽引していたアーティストたちのオーラを充分に堪能出来ます。白のスーツとストラトで登場し演奏するジョージはもちろん文句なくカッコいいのですが、後半のディランの圧倒的な存在感や、当時ドラッグの影響による不調に苦しんでいて精彩を欠くクラプトン(でもカッコいい)、リンゴ・スターとジム・ケルトナーのツイン・ドラムなど、ロック好きには見どころ満載です。
それとは別に、実は初めて見た時、僕には最初に出てくるラヴィ・シャンカールの演奏はよくわからないインドの民族音楽としか感じられなかったのですが、改めて聴いてみるとこれが素晴らしいのです。今回のDVD化で画質、音質ともに飛躍的に改善された結果なのか、それとも自分自身の感覚が変わったのかはわかりませんが、不思議なものでジョージがこの世を去った今になって、何故彼がインド音楽にのめり込んだのか、何となくわかるような気がしてきました。ずっと昔に映画館で見た人も、このDVDで初めて見る人も、是非そこは飛ばさずに見てもらいたいです。
そしてこのライブを見て感じられるのは、昨今のチャリティーのいろんな事情がからむようなものとは一線を画した、アーティスト主導のイベントならではの一体感。音楽が本当に力を持つというのはこういう事なんじゃないか、と思います。
お金のためでも名誉のためでもでなく、アーティストも、スタッフも、観客も一緒になって何か新しい事にチャレンジしていこうという精神が、このコンサートを成功させた唯一の力だったんじゃないかと思います。
本編とは別のボーナス映像もとてもよく出来ていて、ひとつのドキュメンタリーとして楽しめます。いろんな人がコメントを寄せていたりするのですが、国連のアナン事務総長の「歌詞を読めばわかる」というコメントは素晴らしいです。日本の偉い人もこのくらい気の利いたことを言ってくれたらなあ、と思います。
|