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『歌こそすべて』
オーリアンズ
久々に聴いたらやっぱりカッコいい。イーグルスやドゥービー・ブラザーズといったウェストコース・トサウンドが好きな方なら絶対に持っていて損はない一枚です。ソウルフルなリズムと洗練されたコーラス・ワークによって生み出されるサウンドは聴けば聴くほどに味が出て来て、何度聴いてもタイトル曲の「Let There Be Music(歌こそすべて)」のギター・ソロの転調の瞬間や、名曲「Dance With Me」の切なくも乾いたハーモニー、計算されたツイン・リードにはハッとさせられます。
僕はこのバンドの中心メンバーであるジョン・ホールという人のギターが大好きなのですが、この人の弾くギターは「ストラトキャスターというギターはこう弾くべし」というお手本のような感じで、ワイルドかつ洗練されたそのトーンは、バーボンをソーダで割ったような荒々しさとさわやかさを兼ね備えています。
西海岸のカラッとしたよい天気にはピッタリですが、実はこのバンドは東海岸で結成されたバンドで、バンド名もニューオリンズから来ているとの事。きっとイギリスのミュージシャンがアメリカの音楽に憧れて化学反応を起こしたように、このバンドにも全く違う地域だからこそ「西っぽさ」を客観的に追求した結果生まれたオリジナリティーのようなものを感じます。それと比べて何度見てもひどいのはこのレコードのオリジナルジャケットです。一体誰がどんな基準でこんなジャケットにオーケーを出したのか謎ですが、とにかく僕の持っているレコードの中でもダントツに内容とジャケが一致しない一枚です。ひどいジャケットは多々ありますが、これは「家に遊びにきた女の子には絶対に見つかりたくない」とさえ思わせる何かがあります。見れば見るほどひどいと思うという点で、これもある種スルメジャケとも言えなくはないですが、僕の場合開き直ってこの落差を楽しむという新しい方法を生み出した点では価値があるかも知れません。「聴きたいなあ」と思って出す度に「ひどいなあ」と思うので、もはや通過儀礼のようになっていて、このジャケットに必然性のような物さえ感じるようになりました。
とにかく、内容の素晴らしさとジャケのひどさの対比という点では、僕の知っている中ではトップ5に必ずランク・インする一枚です。内容は本当にカッコいいので、是非聴いてみてもらいたいです。

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オーリアンズ
『歌こそすべて』
ワーナー・ミュージック・ジャパン
AMCY-3014
\1,785(税込み)
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R&R LIBRARY 第72回
2005-9Groovin'
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