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『ノスタロジカル』
SowanSong

 SowanSongこと前岨啓之(まえそわひろゆき)さんというシンガー/ソングライターの1stアルバムです。ミュージシャン仲間から「多分センスが合うと思う」と紹介されて僕と彼が知り合ったのは最近の事。音楽の趣味だけは信頼出来る友人からの紹介なので悪いはずはないと思っていたのですが、聴いてみたらかなり僕好みの作品。これはと思い早速ライブを見に行って、意気投合、一緒に何かやろうという事になり、イヴェントに呼んでもらったりもしました。
  ほとんど弾き語りで録音されているこの作品、力強くも繊細で、どこかに憂いのある歌声と、ポール・サイモンや70年代のキャロル・キング、ジェームス・テイラーなどを思い出させるコード感、オープンチューニングを使った時のスティーブン・スティルスを思わせる独特のギターアレンジなど、僕のツボに入りまくりです。アルバムタイトルにも現れているように、全体を貫くノスタルジックな雰囲気とアコースティックな空気感は、デジタルな感覚に支配されつつある僕達の日常の中で、逆に新鮮に響いて来ます。
  日本のアーティストの中にも、僕も含めてこういう音楽が好きな人は沢山いると思うのですが、こういう音楽は作る人を選びます。歌とギターのみというシンプルな構成でやろうとした時、良くも悪くも「日本語」という言葉自体の持つ強さのようなものと、その人の持っている「声」という2つの大きな壁に阻まれて、実はなかなかバランスをとるのが難しいものなのです。サウンドに寄り過ぎるとロックっぽくなってしまったり、言葉に寄り過ぎるとよりフォーキーなものになってしまったりします。そしてそのハードルを高くしている一番のポイント、「声」や「言葉」は根本的に変えられる要素ではないのです。そういう点で、彼はとても貴重な存在だと思います。
  偶然か必然か、また一人好きなミュージシャンと友達になれてうれしい、というのが正直な所ですが、是非一度聴いてみて欲しいです。


SowanSong
『ノスタロジカル 』

tPD RECORDS

TPDR-0001
\1,500(税込み)



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