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第61回

『スマイル』
ブライアン・ウイルソン

遂に!というか、これは凄いもんです。普通の値段で売っちゃいけません。
37年前に未完のまま「幻」のアルバムになってしまったこのアルバムの完成型を想像するために、どのくらいの人達が非合法な海賊版や違法コピーに手を染めたことか。
その実験的なサウンドに発表当時は全く受け入れられず、長い時間を経てやっと本来の評価をされる事になった名盤「ぺット・サウンズ」と、その発展型とも言えるこの「スマイル」は、熱心なファンにとって、そして作った本人にとっても既にトラウマのような存在になっていたような気がします。
今回膨大な量の音源やパーツを掘り起こし、一つ一つを検証し、構築し直す作業はどんなに大変な事だったのかは想像さえ出来ませんが、素晴らしいのはブライアン本人がその意思で、他のどんな力にも歪められる事なくアルバムを完成させる事が出来た、という事だと思います。
とにかく、これはロックなのか?ップスなのか、クラッシックなのか、そんなジャンル分けをする事が音楽にとって本質的には必要無い、という事を改めて教えてくれる素晴らしいレコードです。
僕はビーチボーイズやブライアンのファンだけではなく、是非色々な人達、小さな子供やあらゆる音楽のプレイヤー、リスナーにもこのアルバムを聴いてもらいたい、と切実に願います。これを聴いてどう感じるかは、ある意味その人達の芸術的な審美眼のようなものが試される瞬間でもあると思います。
彼がこの作品に没頭した時代から37年後の今、僕達リスナーは果たして彼の音楽に追い付く事が出来たのか?それとも僕達の感性は親父の世代からちっとも変わっちゃいないのか?
これは一人のミュージシャンから僕達に対して挑まれた、30年越しの楽しくてスリリングな挑戦でもあります。2004年の新譜として完成し、発表されたこの「幻のアルバム」に、僕は完全にノックアウトされてしまいました。これを読んでるあなたも、是非チャレンジしてみては?


Brian Wilson 「smile」
ワーナーミュージック・ジャパン
CD WPCR-11916 
¥2625(税込)

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R&R LIBRARY 第61回
2004-10
Groovin'
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