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| 『Gettin' In Over My Head』
ブライアン・ウイルソン
6年振りに届けられた彼の新作は、全くの新作と言うよりは今まで作ってきた作品の集大成と言うか、いろんな理由でリリース出来なかったソロ作品と、純粋な新作を合わせて構築し直したある意味「裏ベスト盤」という感じです。もちろん全て初リリース作品なのですが、その素晴らしい内容とは全く別の問題で発売されずにお蔵入りになってしまい、それを聴くためには非合法な海賊盤などに頼るしかなかった曲が本人によって新しく息を吹き込まれ、日の目を見るのはうれしい限りです。
ここ数年のブライアンの活躍振りには目を見張るものがあるのだけれど、僕が純粋に感動するのは、彼が自分の作品に対してある種の責任感のようなものを持って仕事に取り組んでいる姿勢がはっきり見て取れるからです。そこには熱心なファンやスタッフ、そして彼を尊敬するミュージシャン達の力が多大に貢献していることは間違いないのですが、「天才」であり、「伝説」でもある彼が、そうであるが故に招いたであろうドラッグの問題や、諸々のトラブルのためにスポイルして来た沢山の物を、もう一度救い出してきちんと形にして残す作業をしてくれているのは、本当にうれしい。
ライブではビーチボーイズ時代の名盤「ペット・サウンズ」の完璧な再現という偉業を成し遂げた後、今度は幻の「スマイル」を再現するというチャレンジをすると同時に、この新作でソロアーティストとしてのキャリアも充実した形で実現。そして次はなんと新録レコードとして「スマイル」をリリース予定!
気が早いかも知れないけれど、ブライアンがこの一連の作業を終え、ビーチボーイズと言う巨大な亡霊を自分の影として堂々と従えた時、彼から生まれてくる新しい音楽を是非、聴いてみたいです。
そんな欲張りな事を考えてしまうのも、この新作を聴いたから。ちなみにゲストとしてポール・マッカートニーやエルトン・ジョン、エリック・クラプトンが参加していたり、亡き実弟カールとのハーモニーがあったりと聴きどころ満載。そしてジャケット・デザインはピーター・ブレイクという、あの「サージェント・ペパー」を手がけた人だそうです。そう思うとポップスの歴史みたいなものを感じて、なんだか感慨深いです。

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| ブライアン・ウイルソン
『Gettin' In Over My Head』
ワーナーミュージックジャパン
CD WPCR-11886
\2,520(税込)
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