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ポール・マッカートニー
『バック・イン・ザ・U.S. -ライヴ2002』

 ポール・マッカートニーが来日します。だからなんだって言われると困るんだけど、またポールの生の姿が見られる、生の歌が聴けると思うと、これは幸せだとしか思えません。だって本人が歌う名曲の数々が聴けるんだもの!チケットが高すぎるとか、子供が入れないのは何故だとか、再婚が早過ぎだとか言われることは沢山ありますが(誰も言ってない?)、ポールの歌が生で聴ける、それだけでも僕は充分幸せを感じなければならないんだ、と勝手に反省したりもしています。
 こんなことを思っちゃうのは、やはりジョージが亡くなったことがとても大きいかも知れません。もちろんジョンはずっと前に他界しているけど、ビートルズとしての新曲が発売されたりした頃から、もしかしてもう一度みんなが集まったりしないかなあと叶わぬ夢を見たりしていたんですが、もはやその夢さえも見ることができなくなってしまいました。そう思うだけで何か心にぽっかり穴が空いたような気持ちになるのは、きっと僕だけではないはずです。
 とはいえ、30も過ぎてやっと少し他人の立場に立って考える努力を始めた自分としては、本当の所一番辛いのはポールなんじゃないかとも思います。長年連れ添った奥さんを亡くし、さらに追いうちをかける様に一時代を一緒に築いた仲間を失ったらと考えると、まだポールが現役で、しかも向こうからわざわざ遠い日本まで来てくれるんだからそれだけで感謝したいくらいです。比べても全く意味はないですが、考えて見ればポールだって僕の親父とそんなに変わらないくらいの年なわけで、いったいこの先どれくらい歌い続けてくれるのかそろそろみんなで心配しても良いくらいなんだから、多少のことには目をつぶって納得するべきだと自分に言い聞かせる今日この頃であります。本当かどうかはわからないけれど、今回のツアーでライヴはもうやらないという噂もあることですし(絶対信じないけど)。
 でもやっぱりいろんな事が気になるのは、以前にも書いた様にやはり僕にとってポールは現役のスターであって、まだ「伝説」とか「神様」になっていないからなのです。ひょっとしたらそれが一番凄いことなのかも知れません。この恐ろしく偏った僕の気持ちに共感してくれる人は、またもやタイムリーに日本公演直前に発売される最新のライヴ盤『Driving U.S.A.』(邦題:『バック・イン・ザ・U.S. -ライヴ2002』)もきっとレコード会社の思惑に見事にはまって買ってしまうのだと思いますが、なんだかそういうストレートな購買意識を持てるものがあるというのは、ある意味とても幸せなんじゃないかとも思うのでした。

ポール・マッカートニー
『バック・イン・ザ・U.S. -ライヴ2002』
CD(2枚組)/東芝EMI
TOCP-66110〜1 ¥3,495

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R&R LIBRARY 第37回
2002-10
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