第107回
第106回
第105回
第104回
第103回
第102回
第101回
第100回
第99回
第98回
第97回
第96回
第95回
第94回
第93回
第92回
第91回
第90回
第89回
第88回
第87回
第86回
第85回
第84回
第83回
第82回
第81回
第80回
第79回
第78回
第77回
第76回
第75回
第74回
第73回
第72回
第71回
第70回
第69回
第68回
第67回
第66回
第65回
第64回
第63回
第62回
第61回
第60回
第59回
第58回
第57回
第56回
第55回
第54回
第53回
第52回
第51回
第50回
第49回
第48回
第47回
第46回
第45回
第44回
第43回
第42回
第41回
第40回
第39回
第38回
第37回
第36回
第35回
第34回
第33回
第32回
第31回
第30回
第29回
第28回
第27回
第26回
第25回
第24回
第23回
第22回
第21回
第20回
第19回
第18回
第17回
第16回
第15回
第14回
第13回
第12回
第11回
第10回
第9回
第8回
第7回
第6回
第5回
第4回
第3回
第2回
第1回

第21回
トッド・ラングレン
『Something/Anything?』

 宅録は楽しいです。宅録って字で書くとなんだか中国の思想家みたいですが(そうか?)、「自宅録音」のことです。スタジオを使わずに、自分の家で録音することで、僕ぐらいの歳のミュージシャンは誰もが一度ははまる道であります。ちょうど僕が音楽を始めたころから、MTRというカセット・テープを使った4トラック(4個音を重ねられる)から8トラックくらいのテープ・レコーダーとミキサーが一緒になったものが安く手に入るようになって、楽器が出来れば自分ひとりで順番に録音していって、バンドのアレンジが作れるようになりました。大体バンドって言うのはうまくいかなくなると、ギターが神経質だとか、ドラムが遅刻してくるとか、歌の奴が飲みすぎるとか、あんまり音楽とは関係ないところに問題を見つけようとする傾向がありますが(幸い僕はあんまりそういう目には遭ってない方だと思うけど)、MTRがあればそんな心配はありません。全部自分でやる。だから、トッド・ラングレンみたいに何でも出来るマルチ・プレイヤーには、宅録は自分の作りたいイメージを形にするには最高の方法でもあります。トッドはそのためにスタジオまで作って、エンジニアも自分でやってしまう。ある意味究極の宅録野郎なのです。
 僕は音楽の作り方にはいろいろな方法があると思っています。自分のイメージしたサウンドを完璧に完成させてゆくやり方もあるし、ミュージシャン同士のセッションで生まれる空気を反映させるやり方もあります。5分で作ってもいいし、10年かけてもいい。このアルバムは「自分でやる」方法で作られた作品としては音楽史に残る名盤だと思います。
 トッドが凄いと思うのは、そんな外部を遮断するような方法で自分のアルバムを作っているにもかかわらず、プロデューサーとしても幾多の名作を手がけているということです。僕はずっと、そんなに自分の音にこだわる人が他人のプロデュースなんて出来るんだろうかと思ってたんだけれど、考えてみたら反対で、自分で出来るから人に伝えられるんだと思います。自分も含めて音楽を仕事にしている人は、プロデューサーやらディレクターやら何とか代理店のおっさんとかに「うーん、もうちょっと面白い感じにしたいな」とか意味のわからないことを言われると、「それなら自分でやれよ!」と思う瞬間が多々あるのですが、きっとトッドがそういう立場に居たら、「こんな感じだよ」とすぐやって見せられそうです。そんな人がいたら、やっぱりかなわないですよね。

トッド・ラングレン
『サムシング/エニシング?(ハロー・イッツ・ミー)』
CD(2枚組)/ビクター・エンタテインメント
VICP-60258〜9
\3,300

このCDのご購入は
すみやMEDIAMAXで!

R&R LIBRARY 第21回
2001-06
Groovin'
http://mediamax.sumiya.co.jp/
最新号は全国のすみや店頭で配布中です。
Copyright © 2003-2008 ourhouse, All rights reserved.