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ジョージ・ハリスン
『All Things Must Pass』


 CDになってしまうとなんだかあの圧倒的な「物」としての存在感が薄れてしまうような気がするけれど、再発されるにあたって、音だけではなくてジャケットにもアーティストの意思が反映されているのは、その出来がどうかは別として、かなりうれしいです。小さくなった箱の写真はカラーになって、中を開けると、くすんだ色だった内袋の代わりにCD袋?がジャケ写真のコラージュになっていて、ジョージの座っている庭の何も無かった森の後ろには、煙突や高速道路が現れる。まさに「All Things Must Pass」って感じなのでしょうか。リマスターで格段に音も良くなっていて、久々に改めて聴くと、本当に良いです。
 僕が思うにジョージの歌や曲、そしてギターも、こんなことを言ったら怒られるかも知れないけれど、決して派手ではないし、テクニック的に人目を引くようなものではないんだけれど、なにか心の中の深い場所に降りてきて、そこで確実に何かを変えてしまうような力があるような気がします。
 例えば僕にとってこのアルバムは、ジャケからしてまず女の子と一緒に聴こうとは思えないし、友人や家族と一緒に楽しむようなものでも無いのだけれど、そう言うものとはまた別のところに置いておきたい物だったりします。
 このアルバムが発表されたのは1970年。以前も書いたけれど、これくらいの時期(というかビートルズの解散を境目くらいに)から、世の中の音楽の判断基準が、大衆のものから個人の物へ、わかりやすく外部に向けられていた人々の感情が、1人ひとりの心の中に、入っていくような気がします。そう言う意味では、ビートルズのジョージがそういうものとは「別なところに置いておきたい」アルバムを作ったことは、この後の音楽シーンの変化を象徴するようなアルバムだったんじゃないかと思います。

ジョージ・ハリスン
『オール・シングス・マスト・パス〜ニュー・センチュリー・エディション〜』
CD(2枚組)/東芝EMI
TOCP-65547〜8 \3,495

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R&R LIBRARY 第18回
2001-03
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