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ジェフリー・フォスケット
『12 & 12』

 これが2000年の新作なのか!と思わず微笑んでしまう素晴らしいアルバム。1曲目の12弦ギターからもうダメ!って感じ。来日コンサートで彼がギター、ヴォーカル、音楽監督を担当したブライアン・ウィルソンを始め、マーシャル・クレンショウ、ワンダーミンツのダリアンなど、僕にとっては超豪華メンバーとのコラボレーションで生まれた3年ぶりのジェフリー・フォスケットのアルバムは、久しぶりに「あの感じ」がするのです。それがどんな感じなのか聴いてもらうより他にはないんだけれど。
 こういう音楽が大好きで、「あの感じ」を受け継ぐ人達は沢山いるのだけれど、やはりそれは新しい世代の、新しいオリジナルな音楽へと昇華されていると僕は思っていて、新作という形ではなかなか聴くことが出来ない貴重なものだと思います。それは食べ物に例えていうなら「洋食屋さんの味」とか、「田舎風味」「本格中華」とかいうものに近くて、そういった看板が、それを掲げた時点で既にそれとはかけ離れたものになってしまう、というのに近いかもしれません。
 相変わらず良くわからない紹介になってしまったけど、きっと「あの感じ」っていうのは、本物感とか安心感に近いものじゃないかと思います。例えば何処か外国に行って「江戸前寿し」って看板があるお店がいっぱいあったら、それがおいしいかどうかは別として、きっとどこが一番自分の知っている味に近いか、つまり安心して「自分は確かに寿司を食べているのだ、これは寿司っぽい何かじゃなくて、お寿司である」と感じられる、そんな他愛の無い、でもとっても大事な安心感。このアルバムにあるそんな安心感が新鮮に感じるのは、素晴らしいミュージシャンがレコードを作ることや演奏することを楽しんで、それがダイレクトに聴く人を幸せにしてくれる、という凄く当たり前のことを身近に感じる瞬間が少ないからかもしれません。自分も含めて、僕達の周りにはコンビニやスーパーの「洋食屋さんのなんとか」ばかりが身の回りに増えすぎて、宣伝文句に使われるくらい親しみのあった普通の街の洋食屋さんは、いつのまにか殆ど無くなってしまいました。だから、ジェフリーさんにはそんなに高級じゃなくても、24時間売ってなくてもいいから、こういう音楽を楽しんで作りつづけて欲しいです。

ジェフリー・フォスケット
『12 & 12』
CD/ドリームズヴィル
YDCD-0039 \2,500

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R&R LIBRARY 第13回
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Groovin'
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