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第106回

四人囃子
『From the vaults 2』

僕が日本のバンドの中で最も影響を受けているバンド、それは、実ははっぴいえんどでもシュガー・ベイブでもティン・パン・アレーでもなく、きっとこの四人囃子かもしれません。というのも、このバンドの中心メンバーの一人である天才ドラマー、岡井大二さんこそが僕が音楽の仕事をするきっかけを作ってくれた人でもあり、僕のやっていたバンド「L⇔R」を生み出し、育てた張本人であるからです。オールマン・ブラザーズ・バンド、ジェスロ・タル、プロコル・ハルム、ロギンズ&メッシーナ、CSN&Y、その他数えきれないほどの僕が知らなかった名盤を教えてくれたのはこの人だし、ロックのカッコ良さだけでなく、音楽を仕事にする上での大切な事の殆どを僕がこの人から得たのはまぎれもない事実です。このボックス・セットを聴いて、改めて自分はとんでもない人と一緒に音楽を作っていた事を実感しました。
第2弾となるこの5枚組のボックス・セットは相当にマニアックなものも多数収録されていて、その密度の濃さとヴォリュームを考えると万人にオススメ出来るアイテムではないかもしれませんが、四人囃子というバンドの強烈なオリジナリティと演奏力、日本中を見渡しても他のどのバンドにも似ていない空気感にひたすら圧倒されます。メンバー全員が驚愕のテクニックで繰り広げるインプロビゼーション、トリッキーかつクールな楽曲の展開はたとえ10分を超える大作を聴いていても全く飽きる事がなく、どんどんその世界に引き込まれてしまいます。
何度聴いても背筋がゾクッとするほどのテンションは、テクニック至上主義のスーパー・プレイヤーと呼ばれるミュージシャンの作品とは全く違う次元もので、その音の説得力は当時の洋楽を超えているとさえ思います。とにかく、全てのロックファン必聴。1970年代当時から時代に先行しすぎていたと言われる伝説のバンドではありますが、このボックス・セットを聴いていると、今、現時点でもまだまだ時代が四人囃子に追いついていない、という気にさえなります。「ペット・サウンズ」や「スマイル」と同じように、きっと遠くない未来に四人囃子は日本が誇るスーパー・グループとして再評価されるはずだと信じています。

ブレント・キャッシュ 『How Will I Know If I'm Awake』

四人囃子
『From the vaults 2』


ダブルデア・パブリッシング
発売中
CD(5枚組)
DDPS-1001〜5 
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R&R LIBRARY 第106回
2008-7 Groovin'
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