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杉真理
『魔法の領域』
デビュー30周年を迎えた日本のポップス界の重鎮、杉真理さんの新作は、そのキャリアの集大成とも言える豪華なゲスト陣を迎えて作られた充実の一枚。
ピカデリー・サーカスのメンバーを迎えた「Make Love Not War」、竹内まりやさんとのコラボレーションによる「僕らの日々」、堂島孝平くんとの「君のParadise」など、キャリアの中でどんどん広がり続ける世代を超えた交流の幅は、まさに杉さんの人柄と音楽に対する姿勢を反映してると思います。
ビートルズやアメリカン・ポップスのマナーを色濃く感じさせながらも、その優しい歌声によって生み出されるナイーヴでロマンティックな世界観は、30年のキャリアを超えて健在。全編を通したメロディーの良さと、懐かしさと新鮮さを合わせもったサウンドはまさに「杉真理ワールド」です。この新作も昔からのファンなら誰もがホッとする作品だと思います。
その中でも僕が気に入ったのが伊藤銀次さんとのコラボレーションで生まれた、「マイルドで行こう」という曲。ステッペンウルフの「ワイルドで行こう」をリアル・タイムで経験している世代が作った、この人を食ったようなタイトルの曲の中からは、楽しくも厳しいポップスの世界をくぐり抜けて来たアーティストの職人技と、それを純粋に楽しめる大人の余裕が感じられて思わず笑顔になってしまいます。ボサ・ノヴァ風のアレンジでゆるりと歌われる「マイルドで行こうよ/こびるんじゃなく/大人になるのは素敵なことさ」という一節が、今の杉さんのスタンスをとてもストレートに表現しているような気がします。日々変化してゆく音楽シーンの中で、自分のルーツやスタンスを守り続けられるアーティストはそんなに沢山いるものではありませんが、30年のキャリアを経て、「Lennon=McCartney」なんてズバリそのもののタイトルの曲を発表出来てしまうのも、本当に音楽が好きでそれを楽しんで来たミュージシャンと、それに共感し、サポートし続けるファンが確実にいるだからだと思います。
「シャローナに片思い」という曲で僕もコーラスをさせて頂きましたが、スタジオはまるで高校生の時に戻ったかのような楽しいレコーディングでした。決して時代に左右されない音楽への愛情と、それが生み出す「魔法の領域」を、聴く人に感じさせてくれる素敵な一枚です。
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杉真理
『魔法の領域』
NAYUTAWAVE RECORDS
CD
UPCH-20066
¥3,000(税込み)
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R&R LIBRARY 第101回
2008-2 Groovin'
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