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シティ
『夢語り』

紙ジャケで再発された一連のキャロル・キングのアルバムと同時に再発されたこの『夢語り』ですが、実は僕にとってはあの『つづれおり』よりも思い入れの深い作品でもあります。というのも、僕がレコードを探して聴くようになった当時、このレコードはとても貴重で、モノクロのジャケットの海賊版ですらも手に入れる事が難しく、高価なカラージャケットのオリジナル盤を手に入れることなど夢のような事だったのです。僕はそれほど「モノ」としてのレコードや、その市場価値には固執するタイプではなかったのですが、一度このレコードを聴いてしまったら、その内容の素晴らしさに完全にノック・アウトされてしまい、それ以来見つけるとつい手に取って、今ではもう4枚程このレコードを持っています。
そこには『つづれおり』よりも以前に、既に完成されていたキャロル・キングのシンガー・ソングライターとしての個性や、チャールズ・ラーキー、ダニー・クーチというその後の彼女の作品には欠かす事の出来ない2人のミュージシャンとの間に生まれたマジックが溢れていたのです。親密な空気感を持ちながらも高度なテクニックに裏打ちされた演奏やアレンジ、「シティ」というバンド名にも拘らず、すましたところのないジャケット、そして何よりもその後の彼女が生み出した名曲達に全くひけをとらない素晴らしい曲。当時まだろくに弾けないギターでその雰囲気を真似をしようとしても、洗練されたコード・ワークや複雑なリズムの組み合わせから生まれる世界には遠く及ばず、どうしたらこんな感じでバンドの演奏が出来るんだろうか、と憧れを持ったことを思い出します。ニューヨークのレコード屋さんの片隅で見つけたオリジナル盤は、今でも大切な僕の宝物ですが、CDで簡単に手に入るようになった今、音楽ファンには是非聴いてもらいたい作品です

 

 

 

 

シティ
『夢語り』


SMJI
CD
EICP-840
¥1,890(税込み)


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R&R LIBRARY 第100回
2008-1 Groovin'
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