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エヴァリー・ブラザーズ
『グレイテスト・ヒッツ』
このところエヴァリー・ブラザーズの曲を演奏する事が何度かあって聴き直していたのですが、その色褪せない魅力を改めて感じています。エヴァリー・ブラザーズは1950年代から60年代に活躍した兄弟デュオですが、アメリカン・ポップスの歴史を語る時には欠かす事のできない歴史的なアーティストである事は間違いないでしょう。
僕が初めて聴いたのはいわゆるオールディーズと呼ばれる1950年代から60年代のアメリカン・ポップスに夢中になっていた中学生くらいのころだったのですが、2人のハーモニーから生まれるドリーミーな甘さと、ロックン・ロールの持つ男のロマンティシズムとでも言うべき雰囲気の融合にすっかり心を奪われてしまい、しばらくは毎日のように彼らのレコードを聴いていました。エヴァリー・ブラザーズの特徴は2人のヴォーカルにメイン・パートとコーラス・パートという垣根がなく、そのどちらを聴いてもひとつの曲として成り立つようなメロディー・ラインにあります。2人のヴォーカリストが同じリズムと歌詞で、どちらが主旋律になってもいいようなハーモニーで歌うスタイルは、その後のビートルズやサイモン&ガーファンクルなどを聴くと、まさにそのもの、という部分がたくさん出て来て、どのくらい彼らがその後の音楽シーンに影響を与えているかがよくわかります。
他にも僕の好きなところだと、ニック・ロウとデイヴ・エドモンズがカバーしていたり、日本でも山下達郎さんと竹内まりやさん夫妻がステージで彼らの曲のカヴァーをしているのも有名かもしれません。最近新しく気がついたのは、彼らの音楽のカッコ良さは、2人だからこそ生まれる「クールさ」とも言えるもの。通常ひとりのヴォーカリストが歌う場合には、当然パフォーマンスの自由度は大きく、そのアーティストの歌の力が遺憾なく発揮されますが、2人のヴォーカリストが同じ比重で曲を成立させているという事は、片方が好き勝手に自分の歌を歌うことが出来ないということでもあります。どこかにきちんとしたルールのようなものがあって、それに忠実であることで初めて生まれるマジックがある。だからこそ歌う2人には楽曲に対する客観性が生まれ、聴く人にその曲のイメージがより鮮明に伝わっているような気がするのです。強烈な個性と歌唱力で聴かせるヴォーカリストとはまさに対照的な感覚ですが、ドンとフィルの兄弟による唯一無比のハーモニーのツボは実はそこにあるのではないか、などと思ったりしています。
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エヴァリー・ブラザーズ
『グレイテスト・ヒッツ』
ビクターエンタテインメント
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